ログアウト
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「そんなに長く書いてあって、内容はそれだけですか」
「簡潔に言うと、だ」
『かくれんぼの少女』
と、ミカミはそう一言告げ、文書に目を落とす。
頭の上に疑問符を浮かべる夜空。そんな彼に悟られぬように、ひっそりと思考する。
――夜空には、この任務はまだ早い気もするが……いい経験にはなるだろうな。
そして、ミカミは原稿用紙5枚ほどの文を素早く読み上げ、今回の任務の内容をきれいにまとめ上げた。
「――と、これが大体ってところかな」
「……そうですか」
「前回の任務とあまり日が開いていなくて大変だと思うが、……まあ、がんばろう」
夜空は、うつむき加減に小さく頷く。
「大丈夫。私も全力でサポートさせてもらうし。前回の要領でやれば問題ないさ」
ミカミは優しく微笑み、頭をぽんぽん、と二回叩いて彼の表情を探ると、どんどん夜空が曇っていくのが伺えた。
――私も昔はこんなだったなあ。
と、昔の自分に夜空を重ねながら、もう一度優しく微笑みかける。
「……さあ、遂行は今晩だ。それまで部屋でゆっくり休むといい」
「いえ、いつものようにお店を手伝います」