澁澤雑文店-澁澤わるつ短編集-
視線
眠りにつこうと明かりを落としたが、不思議と寝つけない。


目を閉じて他愛もないことを考えながら、さっき彼氏と電話でケンカしたイライラが早く納まるように願った。


興奮したまま寝付いたためか、時計の針に塗られた夜光塗料が一回りしても、なかなか睡魔は襲ってこない。


(あの男とはもうだめかもしれないな・・・・・・)


わたしはため息をつきながら、寝返りをうった。
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