澁澤雑文店-澁澤わるつ短編集-
妙にしらっちゃけた部屋には、わたし一人だけしかいなかった。
しかし視線は消え去らない。
明かりをつけたら安心したのか勇気が出て、視線の元を探した。
コレハナンダ・・・・・・?
壁に、黒い虫のようなものがついている。
黒いマリモがひらべったくなったようなものが、憎しみをこめてわたしを『見ていた』。
わたしは、こんなものに脅かされていたのかと思うと、無性に腹が立って、手近にあった新聞紙を丸めて、その黒い虫をバシバシ叩いた。
効いているのかどうかわからないが、とにかく壁を叩きつづけた。
どのくらいたったのだろう。
気がついたら、部屋の気配が変わっていた。
視線はなくなり、いつも通りの我が家に戻っていた。
ためしにテレビをつけると、アクション映画が、今、終わろうとしていたところだった。
わたしはそれをみると、やっと肩の荷が下りて、そのまま崩れるように眠ってしまった。
しかし視線は消え去らない。
明かりをつけたら安心したのか勇気が出て、視線の元を探した。
コレハナンダ・・・・・・?
壁に、黒い虫のようなものがついている。
黒いマリモがひらべったくなったようなものが、憎しみをこめてわたしを『見ていた』。
わたしは、こんなものに脅かされていたのかと思うと、無性に腹が立って、手近にあった新聞紙を丸めて、その黒い虫をバシバシ叩いた。
効いているのかどうかわからないが、とにかく壁を叩きつづけた。
どのくらいたったのだろう。
気がついたら、部屋の気配が変わっていた。
視線はなくなり、いつも通りの我が家に戻っていた。
ためしにテレビをつけると、アクション映画が、今、終わろうとしていたところだった。
わたしはそれをみると、やっと肩の荷が下りて、そのまま崩れるように眠ってしまった。