SPICE!
第一章
夜中の電話で
俺は目を覚ます。
「誰・・・」
<<わたしだけど・・・>>
「何?」
<<昨日どこに居たの??携帯かけても繋がらなかったんだけど>>
「あー、ちょっと用事があってさ~」
<<ほんと??>>
「お前だけだから、安心しろって」
俺は口角を上げて
笑う。
お前だけなんて
冗談言うなよ・・・
<<そっか・・・ごめんね、おやすみ>>
「おやすみ」
電話を切ると
後ろから抱き締められた。
肌と肌が密着する。
お互いが生まれたままの姿だから。
「ねぇ・・・今の誰??」
抱き締めてきた女がそう呟く。
そう世間で言えば浮気。
セフレだ。
「んー内緒っ」
「クス、彼女でしょ??」
「そうだと思う??」
「アタシは浮気相手・・・でしょ??」
「さぁ~」
「いいよ、それでも。アタシと遊んでくれれば・・・」
「もう1回ヤる??」
女を押し倒す。
1人なんて寂しすぎる。
誰かと、
誰でもいいから、
繋がっていたかった。
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