【短編集】フルーツ★バスケット
流れ落ちてきた涙を拭き取り、努めて明るく問いかけた。
「ねぇ。
もしも、もしもだよ?」
『うん』
「もしも、あたしが今の旦那と旨くいかなくなったら、
ジュンは桃のパパになってくれる?」
『もちろんだよ
彩香の大事なものは、俺の大事なものでもあるからね』
「ありがとう」
嘘でもいい。
今だけの気休めでもいい。
それでも、ジュンのその言葉が嬉しかった。
あたし達は、この先、どうなるんだろう。
分からない。