【短編集】フルーツ★バスケット

──

俺は出かける

君の口に合うかは知らね。

ま、毒は入れてねぇから安心しな。

家、分かるんなら帰ってもいいぞ。

その代わり、二度と俺の前に現れんなよな

樹。

──


変なの。

帰れないの知ってて、敢えて選択肢をしてくるなんて。

それにしても此処、本当に何処なんだろう。

ベランダから見える景色はいつもと違って、高層ビルが建ち並んでいる。

ウチからは見えない。

でも、ここまで良くしてくれて、黙って帰るのも悪い…よね?

ちゃんとお礼してからでも、いいよね。

大学、明日から休みなわけだし。

──神楽 樹、

何処かで会ったような気がするんだけどなぁ。

いつだっけ?



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