【短編集】フルーツ★バスケット
音楽の進む道は違うみたいだけど、ブラックの人達も音楽に対する気持ち少しはあるんだね。
だけど、
あたしは好きにはなれないな。
やっぱり、GRAPEの曲があたしの一番の元気の素だね。
激しく重なり合いながらも、自己主張をしている音。
同時に演奏しているのが嘘のように、あたしにはちゃんと届く。
あたしも弾きたいな。
残念ながら、今は手元に譜面もキーボードもない。
あるのは、頭の中に描かれた音符だけ。
あたしはそれに合わせて膝の上で指だけを動かした。
やっぱり、今のあたしにはちょっと付いていけないみたいね。
でも、
あたし、この曲マスターしたいな。
「クソッ
今日のところは多めに見てやる。
次は、お前らをギッタンギッタンにしてやるからな!!」
「望むところだ!!
ただし──」
──何!?
フワッと何かに包み込まれた。
「次にコイツに、結花に手出しした、らしたらテメェの音楽を一切出来ないようにしてやるからな」
──連くん?
「ヘッ、ソイツに興味なんかハナッからねえよ」
「だったら」