【短編集】フルーツ★バスケット
郡司くんは、ボロボロになって帰ってきた。
そして、悲しい知らせの通達を受けた。
Black Angelは音楽活動無期限停止。
GRAPEは一週間の活動、及び次回コンテストの出場禁止、と。
あたし、みんなを守るどころか、迷惑までかけちゃったね。
「何悄気ているの?」
「だって──」
そのせいで、みんなの音楽活動が──。
「ありがとう。
この曲は守ってくれただろ」
「そうだよ。
オレらは結花ちゃんが無事で何よりだから」
「そう。
逆にこれからは、4人力を合わせられるしな」
「だよな? 廉」
「別に。
また荷物が増えただけじゃねぇか」
「お荷物で悪かったわね。
じゃ、これあげない」
「何、それ?」
「バレンタインだってぇ
僕たちは、もう貰ったけどね」
そんなの、知らないんだから!
あぁあ。
一緒に頑張ろう、なんて少しでも思ったあたしがバカだったな。
楽譜なんて売っちゃえばよかったかな。
「素直じゃないねぇ」
郡司くんと蒼くんは呆れながら部屋を出ていった。
「サンキューな」
突然、耳元でそっと囁かれ、抱き締められた。
──もう!
このギャップのある行動止めてよね。
だけど、今までの中で最高に居心地がよくて、あたしもホホの筋肉が揺るんだ。
Strawverry☆Candy
─おわり─
2011,02,28
花穏