【短編集】フルーツ★バスケット
《自分の身体を観察した事ある?》
《…観察?》
何それ?
《そう、観察。》
《……無いです》
《じゃ、今いい気会だからしてみようか?》
訳が解らないまま
《はい》
いつの間にか答えてる。
《近くに手鏡ある?》
鏡?
何処だっけ?
……あった。
《はい、ありました》
自分の身体をマジマジ眺めた事なんてないかも。
う~ん 見れば見る程小さな胸だこと。
それに
《なんか気持ち悪いです》
いつも、お風呂で見るのと何か違う気がする。
《そのうち慣れるよ》
慣れたくないよ。
理性が少し残っているようだが、抵抗出来ないでいる。
《服は未だ脱がなくていいよ。
寒いでしょ?》
《うん、寒い》
そう、冬の夜は冷える。
《大丈夫だよ、すぐに身体温かくなるから》
この人何言ってるの?
真夜中だよ?
パジャマは着てるけど、上の方だけ空いてるんだよ
温かい分けないじゃん?
《じゃ、そろそろ始めようか?》
えっ!?
何を?
疑問を打ち返す間もなく怪しげな文字が並べられて来る。
何この変な気分?
実際にそこにいるわけじゃないのに、まるで本当にされてる感覚。
ちょっと私の頭さん、どうしたのよ?
チャットなんて文字だけなんだから。
姿が見えないんだから!
止めなさいよ!
ほんの少しの理性が残ってるも耳を貸さない未知の自分。
この男の人とのトークも段々と過激になる。
そのトークに答える私。
決して、合せてるとかじゃない自然と言葉を返してる。
もう理性なんてないのかも
《身体が…熱い》
《じゃ、脱いじゃえば》
さっきまでの優しい言い方ではない。
怖いっ!!