【短編集】フルーツ★バスケット
退室ボタンに手をかけられない。
どうして?
逃げなよ!!
もし、これが実際の事なら大変な事態だろうね。
恐すぎる!!
《もうやめてぇぇぇ!!》
やっと打つ事が出来た文字。
《ごめんね、怖かった?》
この言葉で我にかえった。
……終わった?
《うん》
すごく怖かった。
この言葉を打つのが精一杯。
私、何してたんだっけ?
頭が真っ白になり、自分の姿を見てビックリした。
身につけていた物が、全て、床に転がっている。
チャットで
……脱がされた!!
というか、術に掛かって自分で脱いだのか…。
状況を把握した途端、さっきまで火照っていた身体も冷めてきた。
寒っ。
そりゃぁ、そうよね。
冬の真夜中だもの。
文字を打ち返しながら床に散らばってる服を着直した。