年下くんは雨が好き
時間もたったし
コインランドリーに戻ろう。
本屋さんを出た瞬間――
「「…ぁ」」
まさかの、まさかの
清水くんに遭遇してしまった。
何を話せばいいんだろう…
アタシたち、友達ってワケじゃないし
かといって知らない人でもないし…
「…ぁ、清水くんも
本屋さんとか来るんだね!」
今のアタシにはこれが限界だよ。
「…何で名前知ってんの?」
以前、女性客に聞かれてたのを
盗み聞きしてました、とは言えず…
必死で脳をフル回転させて
「…ぁ、ぇっと…
あ!!名前プレート!!
うん、名前プレート見て!!!」
「…あっそ。
じゃあ、アンタの名前は何?」
「えッ!?」
まさか尋ねられるなんて
思ってなくてかなりビックリ。