年下くんは雨が好き


寒い 寒い 寒い。



もう今日は帰ろう…





鞄を抱きかかえて
帰ろうとした時だった。




「え?」


雨が止んだ気がした。





顔を上げると…傘。




「何してんの?」


アタシが待っていた張本人が
アタシの後ろでアタシに傘を
さしてくれていた。


だけど、顔はとっても不機嫌…





「あの、えっと…
生徒手帳忘れてたからね
届けようって思って…

でもバイトも見かけないし…
だから迷惑かもしれないけど
高校で帰るの待ってようって」


とにかく笑ってみた。



「馬鹿じゃない?
人に風邪ひく心配してないで
自分の事も考えとけよ…

本当に考え方が子供だね」


「…ごめんなさぃ」


やっぱり迷惑だったのかな?
心なしか悠磨くん怒ってるし…



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