舞い誇る華
「私(わたくし)の事は 鈴 っと呼んでくださいな
それで… でんわ と言うのは何でしょう? この時代にそのような言葉ありませんわ
それに この〝京の町〟を探し回るとなるとかなりの手間がかかります
すぐに見つけるなんて事…
〝不可能″ですわ」
八手と瑠璃が鈴蘭の言葉にキョトンと不思議そうに首を傾げるのを見て 鈴姫が代弁するかのように言う。
「えっ…?」
「私(わたくし)も瑠璃も 江戸から来て間もないですから
城下の事はさっぱり… 」
左手を頬に添え 困ったように言う鈴姫。
だが、鈴蘭はそれどころではなく鈴姫の言った言葉に引っ掛かっていた。
「あ、兄貴
大丈夫っすか?」
「電話 を知らない…?
今日の町……? いやいやいやいや…
ボケてる場合じゃない
てか さっき江戸って言わなかった?
てことは
きょう って… 〝京″っ?!!」
鈴姫の言葉に引っ掛かり、ブツブツ と呟く鈴蘭を3人は心配そうに見ていたが八手が声をかけた時、急に鈴蘭は声を荒げる。
「さ、さささくら様っ
如何なされました?」
急に叫んだ鈴蘭に ビクつきながらも瑠璃は鈴蘭に尋ねる。
「江戸ってあの昔の?
江戸時代とか徳川家康とか幕末の?
京は今の京都?西陣織とか舞妓がいる?
あれ?あたしがいたのって何処だっけ
京都だっけ?
いやいやいやいやいや……
そんな馬鹿な話しあるかっ
夢にしてはリアルすぎるだろ!!」
しかし 一人ノリツッコミをしている今の鈴蘭にその声は届いていなかった。