舞い誇る華
そして 少し考え込むようなポーズをとりながら、鈴蘭は鈴姫に質問する。
「…あの 聞きたいことがいくつかあるんですけど」
「何でしょう
私(わたくし)にお答えできる事ならお答えいたしますわ」
優しく微笑み聞く姿勢をとる鈴姫に鈴蘭は息を吸い込み言葉を投げかけた。
「え~と… まず ここって何処なんですか? 嶋岡寺って誰ですか?」
鈴蘭の問いに目を丸くする瑠璃と八手。
だが、鈴姫は微笑みを崩す事なく丁寧に鈴蘭の問いに答えていく。
「ここは 京の都
大名 嶋岡寺 靖近様のお城です
私(わたくし)は 靖近様の夫婦(めおと)の契りを結び、ここに居るのですわ」
「…あれ?
結びって… じゃあ もう夫婦(ふうふ)なんですよね
でも さっき〝れんぎょう″って…」
「それは 瑠璃が言い間違えたのですよ
今までずっと 〝連翹″と名のっていたのですから 馴れないのでしょう」
そう言い終えると鈴姫は瑠璃の方を見て、同意させるように笑いかける。
それに気付いた瑠璃は慌てて鈴蘭の方を向き鈴姫の言葉に同意した。
「左用でございます
瑠璃は幼少の頃より鈴姫様に仕えさせてもらっておりますゆえ 不意をつかれますとつい…その、申し訳ございません」
瑠璃は 鈴姫と鈴蘭に向かって深々と頭を下げた。
所謂 土下座をしたのだ。