舞い誇る華
「えーっと、俺ら先にこっちの部屋で待ってますね
賢磨さん行きましょう」
暫く傍観していた奈月だったが沈黙に耐えきれなくなり、賢磨に部屋から出ようと促す。
「あーその顔は全然人の話聞いてませんね
まあ毎度の事なんで別に良いですけどね…全く良くないけど
とっとと起きてきてくださいね
向こうで待ってますんで」
やれやれっと言った感じで賢磨は稔麿に向かってそう言い部屋から出て行く。
奈月は稔麿に一度会釈をすると賢磨の後に続き襖を閉めた。
その姿を横目で見やると、稔麿は視線を天井に向け後ろへ倒れ込む。
そして
何もない宙(そら)を見つめ、ゆっくり目を閉じた。