舞い誇る華
 

「お二人は仲が良いんですね」

お椀に味噌汁をよそっている奈月が唐突にそんな事を言い思わず固まる賢磨。


「やっぱり昔から仲が良かったんですか?」


「………誰と誰が?」

「賢磨さんと稔麿さんです」


一瞬止まった賢磨を余所に奈月は笑顔で話す。

何となく解っていたが念のため問いかけると予想通りの言葉で、危うくお椀を落としかける賢磨だった。


「はあああ?! いやいやいやいや… そんな訳あるかいっ
あの人はただ、俺の事を」


「俺の事を…?」


同じ言葉を口にし続きが気になる奈月。
それに気付いた賢磨は視線をお椀から奈月の方へと移すが、目線の位置が気になり頭上へと目を動かす。


「…にしてもお前でけぇな
何食ったらそんなにでかくなんだよ」

「えっ そうですか?
普通だと思いますけど…」



きょとんとする奈月に賢磨は恨めしそうな目で顔を見る。

奈月の身長は185㎝と長身。
並んで比較して見ると賢磨の身長は奈月の胸元より少し上位の高さだ。
それでも賢磨はこの時代にしてみれば背は高い方で稔麿や桂より大きい。


「それで普通?!
ふーん…成る程な 流石、異人 日本人とは造りが違うってか」


少し小馬鹿にしている風に聞こえるが本人に悪意はない。
藤歳がいたら口論になる事間違いなしだか奈月は特に気にしていなかった。
ただ、前から引っ掛かっていることを口にする。

「異人って…?」

 
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