舞い誇る華
賢磨は持っているお椀をちゃぶ台のある部屋へと運ぶ。
「異人って?…ってお前みたいなのを言うんだよ
異国に住んでる…えーっと日本の外の国の奴!」
「外国人…と言うことですか?」
首を傾げ、近い言葉を言い聞く奈月。
それに対し賢磨は怪訝な顔つきで まあ、そんな感じ と答えた。
「あっ そういやーお前米って食ったことあんのか?
そもそも日本の食べ物って食ったことねえだろ」
味噌汁を見つめ、思い出したように奈月に問いかける賢磨はお椀を置くと台所へ戻り、今度はお米をよそっている奈月の元へ行く。
「小さい頃はまだ外国で暮らしてたので 日本に来た…二年くらい前に初めて食べたんです
それから 日本で暮らしているので和食はよく食べるようになりましたね」
そう笑顔で答える奈月に、賢磨は目を真ん丸にして奈月を見る。
「お前 二年も前から日本に住んでんのか?!」
鳩が豆鉄砲を食ったような表情をする賢磨に面食らう奈月。
そんなに驚かれるような事を言ったつもりがない奈月は困惑しつつも頭の中で理由を探す。
「えっと…そんなに驚くような事言ってないんですが…」