舞い誇る華
 

―――――この分だと外人じゃなくてハーフだって事言わない方がいいよな…?


ご飯を二人分よそうと奈月は怪訝そうに自分を見る賢磨に渡す。


――――――それにしても…何だろう この違和感は…
気のせいなのか?


うーんっと眉間に皺をよせ、考えてみるが答えが出るわけもなく溜め息を溢す。


「おーい どうしたんだよ
急に黙りこくって」


「あっ… いえ…」


考え込み出した奈月を見て、奈月の顔の前で手をヒラヒラさせる賢磨。

渡したはずのお茶碗は既にちゃぶ台の上に並んでいた。


「その…友人を探したいんですが…
ここってどの辺りなんですか?」


奈月がそう言葉を発した途端、賢磨の顔付きが変わり一気に険しい顔になった。


「…お前一人では出歩かせられねえぞ
と言うよりお前は外に出れねえよ
そんな 形(なり)して歩いたら確実に浮く」


奈月は賢磨の言わんとしてる事が解らず困惑する。


「…そんなに可笑しいですか?着物姿」

「ちげえよ!
お前のその異人顔の事だよっ」



――――――――まただ…
〝今の時代〟外人やハーフなんて珍しくもなんともないのに
…三人に聞けば解るかもしれないのに携帯は圏外だし ここがどの辺りなのか全く分からない…


今 自分の身に何が〝起きてるのか″自分の事なのに想像すらできない



 
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