舞い誇る華
言い合いが繰り返される中、開けっ放しにされている障子からひょっこりと沖田が顔を出し訪ねてきた。
「おっ総司じゃねえか
おめえこそ 非番のはずだろ? どうしたんだよ」
永倉の声に隣で胡座をかいていた原田や言い合いの中心人物の土方、雛菊が声のした方へと視線を向けた。
そして、沖田の姿を確認すると雛菊はパアアと表情を明るくさせ沖田の方へと歩み寄る。
「あっ! 沖田さん♪
ちょうど良いところに」
「雛菊さん? どうし まっ…まさか あそこに突っ立ている恐持てのおっさんに何かされたんですか?! 口ではい「そーうーじーくーうーん? てめえ 俺の事なんだと思ってんだ!! こんな子供、相手にしねえよ!!」
「子供じゃないもんっ!!」
「はっ 子供じゃねえなら何で知らねえんだよ その時点で十分餓・鬼(がき)なんだよ」
「? 何が知らないんですか?」
「あー… 聞いちゃったよ 総司」
土方と雛菊の言い合いの元が気になり口を挟む沖田に、何で聞いたんだと言わんばかりの言葉と哀れみの眼差しを向ける永倉と原田。
そんな二人の反応に、後に後悔する事になるとは知らず、首を傾げながら答えを待つ沖田だった。