舞い誇る華
 

「平助との会話を聞いてたらしくてさ~
先刻からずっとこんな調子よ」


「平助との会話…?」


補足するように沖田に投げ掛ける原田だが、そう言われてもいまいちピンと来ていない様子の沖田に今度は永倉が付け足すように説明する。


「雛の奴、左之助と一緒に此処に来る途中で平助と山南さんとの会話を聞いたらしいんだよ
俺等てっきり文字の事聞かれたと思って教えた訳よ
ほら 雛って花が好きだろ?
それでか誤解を与えちまって…
まさか知らねえとは思わなくって」


ああ、と永倉の話を聞き沖田は漸く納得した。
ただ まだ一つ疑問は残る。


「それで何故土方さんの処へ?」


「許可を貰いに、だ
原田がその女と甘味屋に行きてえらしいが話が脱線し嶋原に行きてえと言ってきてな
無論、何処だろうが許可など出さんがな」


口から煙管を離すと、フゥーと煙を燻らす土方。
そんな憎たらしく言い放つ土方を雛菊は恨めしそうに睨む。


「…私もご一緒してよろしいですか? 甘味屋に
嶋原についてはそこについてからで
行きつけの処があってとっても美味しいんですよ
雛菊さん甘いものは好きですか?」


「かんみや…
甘いの… あっ甘味屋!
好きですっ 超好き♪」


「良かった
善は急げ、です
さあ 行きましょう♪」


「おまっ 総司!!
いい加減にしろって…あの野郎」


 
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