舞い誇る華
 


「って何やってんだ!お前はっ!!」

「った!!」


藤歳は見覚えのある姿に近付くと間髪入れず勢いよく肘鉄砲をくらわす。


「う゛~~~~
どちらさ… あっ藤歳
ヤッホー♪」


あまりの痛さに若干涙目になりながら頭を擦り声のする方へ向くとそこにはこちらを見下ろし凄んでいる藤歳がいた。


「ヤッホー♪ …じゃねえ!!!
何やってんだっ バカタレ!!」

「何って…餡蜜食べてるー
沖田さんのオススメなんだよ♪藤歳も食べてみなよ!めっちゃ美味しいから」


「…お前と喋ってると自分がバカに思えてくるのは何でだ?
なあ、雛菊」


拳をフルフルと震わせ怒鳴る藤歳に怯むことなく笑顔で話す雛菊。


「えー
それは藤歳がバカだからだよ~♪
気にしちゃダメだよ!今からでも十分間に合うからね」


「何がだよ……」


最早、雛菊のノリに疲れた藤歳は額に手をつき溜め息を溢す。


「すみませんっ雛菊さん!
御待たせしました… あれ?藤歳さんに斎藤さん?」


餡蜜を美味しそうに頬張る雛菊の前に走ってきたのか、息を整えながら真っ直ぐ向かって開口一番にそう言う沖田。

そして、視界の隅に見覚えのある浅葱色の羽織を捉えると意外な組み合わせにキョトンと首を傾げるのだった。


「沖田隊長 何故…ここに?」


 
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