舞い誇る華
――鈴姫と兄貴が普通に接してくれてたから、許されたような気でいた。
けれどそれは言い訳に過ぎないのかもしれない。
人の気持ちを理解しようとしなかった自分への。
「あー…その、「近寄らないでっ!」
八手は止めていた足を再び前へ動かそうとするが、それは瑠璃の声によって制止させられる。
―――何故、許された気でいられたのか
今まで能天気でいた自分が滑稽に思えてならない。
「鈴姫様と桜様がどの様なお考えをお持ちなのか解りませんが、お二方が貴方を許されてもこの瑠璃は許しはしません!」
自分と言う存在を否定するかのように強く言い切る瑠璃に八手はチクリと胸が痛み茫然と立ち竦む。
「………」
「なのに、何故桜様はあの様な事…」
苦々しく、けれど何処か不思議そうに言い放つ瑠璃に引っ掛かる八手。
「あ、あの! どないされたんですか?こないな場所で大きい声で叫ばれて…」
そんなただならぬ雰囲気を醸し出している二人とは裏腹に、間の抜けた上擦った声で話し掛けてきた人物が一人。