舞い誇る華
ひとしきり笑った所で雛菊が言う。
「あははははっ ご、ごめん; まさかそんなに怒ってたとは思わなくて ぷっ本当にぃゴメンっぶははは」
…謝るか笑うかどっちかにしてほしいところである。
「あ゛あ゛っ?!!」
突然笑い出した雛菊に、キレかかっている土方を顎髭の男性が窘め問う。
「トシっ ……えっとどうしたのかな? 」
「すっははすいませんっ 藤歳の為にこんな事までして……」
「ふじ、 とし……?」
雛菊以外の者は皆首を傾げる。
「ちょーっと鍵を借りただけなのにすぐ怒るんだもん その短気な性格直した方がいいよ! その、しかいしに知り合いに協力してもらってあたしを騙そうとしたんでしょ? 」
笑いが止まり雛菊はそう言いながら立ち上がった。
そして土方の側まで来て背中に右手を添え、
「皆さんっ どうも藤歳がご迷惑をおかけしました!!」
「っ!!!!!!」
3人に向かって頭を下げさせたのだ…
その様子を見た 顎髭の男と山南という男は内心ヒヤヒヤし、沖田はニコニコ笑っていた。
ボキボキッッ!!!
「てっ「きょ、きょ、局長ーーー!!や、や、やまっ山南さーーーん!!!そいつを……偽副長を捕まえてくださーーーい!!!」
くわえていた煙管を握り潰して土方がキレようとした時、大声が響き渡る。
その声に後ろを振り返った顎髭の男と山南の横を何かが横切った。