舞い誇る華
 

雛菊と藤歳は互いに顔を見合わせ、やっぱり っと零す。



そして、覚悟を決めたように藤歳は前にいる顎髭の男を見据えた。


「……信じらんねえと思うが
俺達は…21世紀…つまり約150年くらい後の……
あんた達よりも〝未来″の人間だ」



2人以外 目を真ん丸にして声が出ないほど驚いている。



「はっ! てめえ等何言ってんだ 頭イカレちまったか?」


鼻で笑い 馬鹿にしたように喋る土方。
その言い方に イラッ ときた藤歳だかぐっと抑える。



「……君の名前を教えてくれないか?」


「近藤さん?」


次に口を開き、藤歳の方を見る顎髭の男の言葉に土方は眉間に皺をよせ名を呼ぶ。



「…春日 藤歳」


ムスッ としながら答える藤歳。
そんな藤歳の態度に近藤は笑う。


「ははっ 態度までそっくりだ 名前も似ているし」


「局長?」


どうするのかと、首をかかげて続きを促す永倉達。


そして、ゆっくりと近藤は口を開く。





「私は新撰組 局長【近藤 勇 ‐こんどう いさみ‐】
どうだろう? 暫くの間、ここに住むのは」



「なっ 近藤さん?!!」


「「局長っ!!!!」」





いきなりの言葉に思わず叫ぶ 土方・原田・永倉。
叫びはしなかったが少なからず動揺している 山南と先程原田を止めた男。


近藤の言葉にその場にいた誰もが驚いただろう。



………約一名、ニコニコと笑顔の沖田を除いて。





「近藤さんっ あんた一体何考えてんだ?!! こんな得体の知れない奴らをここにおくなんて…」


「そ、そうですよ! 局長っ 」



土方がまくし立てるように言った。それに永倉も 続く。



 
< 29 / 159 >

この作品をシェア

pagetop