舞い誇る華
そんな中、藤歳が口を開き話す。


「確かに あんた達から見たら俺達は異人かもしれねえ…… 正直、あんたがそう言ってくんなきゃ 俺達この状況を整理すんのにいっぱいいっぱいでこれからの事なんて考えてなかった」



な? っと隣に立っている雛菊に言う藤歳。
それに続いて雛菊も話し出す。



「はいっ 暫くの間だけでも住まわせてくれるって言って下さって感謝してます …後2人…友達が何処に行ったか分からなくて…… 絶対探し出して一緒に元いた時代に帰りたいんですっ」


スカートの裾をぎゅっとにぎりしめる雛菊。


「ずっととは言わねえ  頭の整理がついたら直ぐにでも出ていくさ あんたらの指示にも従う だから、此処に暫く置いてくれないか?」


正座をし、土方や近藤を真っ直ぐ見て言う藤歳を見て慌てて雛菊も同じように頼み込む。




「直ぐにとは言わず お友達が見つかるまでいてくれて構わないよ」


柔らかく微笑む近藤を見て雛菊は、ホッと胸を撫で下ろす。


「ありがとうございます」



礼を言う雛菊に対して、藤歳は土方を見据えて答えるのを待っている。



「………春日、と言ったな お前には明日入隊試験を行ってもらう 負けたら直ぐに出ていけ 文句はあるか?」


ムッ としながらも藤歳は答える。


「ねえよ」




答えたにも関わらず、2人は今だに見つめ合って……睨み合っていた。

そんな2人を気にしていないかのように黙っていた原田が雛菊に聞いて来た。



 
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