舞い誇る華
「さあ? 知らないよ ここを通ったらすでにその異人と晋作がいたんだから」
淡々と言葉を吐き出すと晋作と銀髪の男に背を向け縁側の方へと怠そうに歩き出す稔麿。
「俺だって戸を開けようとしたらここが光だしたもんで何事かと見に来たらこいつが寝てたんだ」
こいつ っと言うと銀髪の男を指さし面倒臭そうに言う。
晋作が言った言葉で慌てて自分も説明しだす銀髪の男。
「俺は グラウンドの隣にある林の中に友達を探しに行ったらいきなり辺りが眩しくなって光に包まれた瞬間から…気を、失って…… それで気付いたらここに」
「ぐらうんど? なんだそりゃ」
「えっ? あっ松高のグラウンドです 俺 奈月って言って松花尊高校の2年なんです 部活が終わって帰ろうとした時友達2人がグラウンドの隣にある林に入っちゃって その林工事中で危ないからって追いかけたんですけど…」
「いつの間にか ここにいた、と?」
晋作の問いが何処のグラウンドだと言う風に解釈した奈月は高校の名前と自分の名前を言いもう一度説明し直した。
桂は奈月の続くであろう言葉を自ら言い奈月に問い掛ける。