舞い誇る華

　

「……稔麿でいい
ああ… さん 付けはしろよ お前に呼び捨てされる筋合いはないからな」


「あっ はい」


稔麿の言葉に素直に奈月は頷く。

それが気に食わなかったのかふんっと鼻を鳴らしそっぽを向く稔麿。




ここに 藤歳がいたら間違いなく喧嘩になってるな




奈月はぼんやりと考えつい思い出し笑いをした。


「何が おかしい？」


奈月の笑いに気付き睨む稔麿。

たが 今の奈月には怖いとは思わなかった。


「思い出しちゃって…
俺の友人に少しだけ似てるなって思ったら何だか笑えてきたんです 」


「ほう……」


感心したような声をもらし顎に手を添え何かを考え始めた桂。
稔麿は眉間に皺をよせますます不機嫌になってしまった。


「気分を悪くされたのならごめんなさい
悪い意味ではないんですよ？ もし友人がいたら稔麿さんと楽しいことになりそうだなって思って」


「まったくもって理解出来ないんだけど 何であんたの友人と俺がいれば楽しいことになる訳？ 俺そんなに愉快な奴に見えるの？ 失礼な奴だね」

「す、すいません」


想像してしまったのか、奈月は笑いを堪えながら謝った。

謝ってはいるものの笑いを堪えながら話すものだから声が震えて明らかに笑うのを我慢しています っという感じに聞こえ余計稔麿の苛々を強くさせていた。