舞い誇る華
 


「分かってるよ   忘れてなんかいない」



稔麿がそう言うと
桂は前に向き直り、戸に手をかけ話す。



「お前も 高杉も 気性が荒らすぎる
いらん事をして目を付けられぬよう気をつけろ    こちらに余計な火の粉が飛ばないようにな」





そう言って桂は手に力を入れ戸を開けようとした。




「…なあ 桂 あんたは、」



ピクリ と開けようと力を入れた手が止まる。







「あんたは 俺の考えてる事が解らないと言ったけど
でも 俺は…
あんたの考えてる事の方がよっぽど〝解らない″と思うよ」








そう言うと稔麿は欠伸をし中へと戻っていった。


後ろを振り返り桂は稔麿の後ろ姿を見ると ガラッと戸を開けて家から出た。













その時 桂が小さく〝笑った〟のは誰も知らない――――――‐‐





 
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