舞い誇る華
そんな 雛菊の言葉に沖田は きょとん っと首を傾げる。
「私の記憶違いでしょうか? 雛菊さんの髪の色は茶色だった気が……」
その言葉に今度は雛菊がきょとんと首を傾けた。
「あっ それはですね 一時的に黒くなるようスプレー… えーっと液体?をつけたんです」
この時代にスプレーがないことを思い出し細かく説明する雛菊。
「昨日 木に引っ掛かっていた鞄を見つけてくれたじゃないですか 調度鞄の中に入れっぱなしにしてたんで助かりました♪ 流石に茶色のままじゃ目立ちますもんね」
えへへっ と雛菊は頬をかき笑う。
「そうですね…… 茶色の髪の毛の人は異国の…〝外の人間〟だけだと思ってましたから 初めて貴女を見た時驚きました 正直、私達は…」
遠慮がちに笑うと目を伏せ口を閉じて無言になった。
そんな沖田の様子に雛菊はどうしたのかと不安になり口を開こうとした。
だが、その前に沖田は遠慮がちに笑い雛菊の前まで歩き話しかける。
「着物、少し大きいくらいで良かったです 男物しかなかったもので丈が長かったらどうしょうかと心配してたんですよ
長かったらズルズル引きずって歩く所じゃないですもんね」
茶目っ気たっぷりに言う沖田に雛菊はクスクス笑う。
そんな雛菊を見て沖田は自然と目を細め優しい眼差しで見つめていた。
「……台所でしたね
台所はこちらにあります」
「はいっ お願いします」
2人は互いに顔を見合わせると笑い 歩き始めた。