舞い誇る華
雛菊と沖田が悪戦苦闘している頃、廊下を鼻歌まじりでスキップしている者がいた。
「とぅら~ん ら~ん♪ ふっふ~ん♪」
「おっ! 左之助じゃねえか 」
「ああ ぱっつあん♪ お早う」
後ろから声をかけられ上機嫌でスキップしていた原田は、声をかけてきた永倉に笑顔で挨拶をした。
「どうしたんだよ そんな上機嫌で
何か良い事あったんか?」
不思議そうに原田に尋ねる永倉。
「えっ?ああ… まあちょっとな
別にたいした事じゃねえよ?気にすんなっ あは、あははは」
その質問に原田は一気に挙動不振になり答える。
どうした?と尋ねただけなのに歯切れの悪い返事をした、明らかに様子がおかしい原田に疑問を感じる永倉だった。
「……お前 何隠してんだ?」
疑いの眼差しで見る永倉に思わず視線を逸らす原田。
「別に隠してねえって」
「嘘つくんじゃねえ!明らかにおかしいだろう? 柄にもなく鼻歌なんか歌いやがって」
じーっと見られ原田は焦り始める。
「あっ! 調度良かったー
原田さんに永倉さんっ 朝ご飯が出来たんで今呼びに行こうと思ってたんですよ」
「はいはーい♪ いっまいっきまーす」
助かった!! っと内心思いながら原田はいつもの調子に戻る。
永倉は仕方ないと思い声のした方を向く。