舞い誇る華
「おいっ!!!!」
2人は、ハッとして声がした方を見た。 そこには、額に青筋をたてている赤みがかった金髪の青年がいた。
「ひぃぃ~~なぁぁ~~ぎぃぃ~~くぅぅ~~」
先程、道場での鈴蘭と同じ、般若のような恐ろしい顔つきになりドスのきいた声色で雛菊の名前を呼んだ。
「雛… あんた藤歳に何したの??」
呆れ顔で雛菊に聞いた鈴蘭だが、
「う~ん…… どれで怒ってるのかな?」
っと首を傾げ眩しい笑顔とともに、呆れた返事が返ってきたのだ。鈴蘭は、顔に手をあて深い深い溜息をつくのであった。
そして今にも、ドスン、ドスンと聞こえてきそうな足取りで雛菊達の方に近づいて来る【園芸部員(雛菊により強制で) 春日 藤歳 ‐かすが ふじとし‐】
「雛っ てんめー!!!! 俺の鍵どこにやったんだよ?!! それに、何で俺がテメー等のカバンを持たなくちゃいけねえんだよ!!」
「えっ? テメー等??」
「あっ!忘れてた♪ 今日、奈月ん家でお泊り会するからすぐ帰れるように鈴の分も部室から持ってくるよう言ってたんだっけ」
思い出したかのように、ポンっと手の平を叩くと雛菊は横目でこちらに来る藤歳を見ると、一目散に逃げたのだ。
「だからっ 俺は行かねえって言ってんだろう…って おい!!待ちやがれ!!!!」