舞い誇る華
静まり返った道場。
人がいない訳ではない。
だが 皆道場の中心を睨み付けるように興味津々に注目している。
「何やら あちらは楽しそうな事になってますね…」
中心に立っている男 沖田は遠くの方から微かに聞こえる賑やかな声に一つ溜息をつき心配そうな声で呟く。
「おい 総司
あいつはどうした? はっ まさか逃げた訳じゃねえよな」
壁に寄り掛かり腕組みをした土方がまだ藤歳の姿が見えないことを確認すると沖田に尋ねる。
「ああ… トッシーさん
春日さんは もうすぐ来るはずですよ」
「おいこら 誰がトッシーだっ
このやろう」
「おいこら 誰が逃げたって?
コノヤロー!!」
土方の声と誰かが被り皆一斉に声のした方を見る。
「……お前っ」
「ほら 言ったでしょ?もうすぐ 来るって♪
にしても…」
そこで一旦言葉を止めると クスクスと笑いながら注目されている 黒髪で着物姿の藤歳を見る。
「そうゆう格好をするとますます 瓜二つですね~♪
周りの皆さんも驚きすぎて固まってますよ」
そう言うニコニコ笑顔の沖田に対して土方はと言うと青筋をたてどす黒いオーラを纏っていた。
「お前はどこまで俺の真似をすれば気が済むんだ?あ゛あ゛?! さっさとこっちに来いっ!! 一瞬でケリつけて てめえを追い出してやる」
「あ゛あ゛?! 上等じゃねえかっ!!!!
何 勘違いしてんのか知らねえが てめえの真似なんか誰がするかってんだよ!!」
藤歳が言い終わると同時に土方は竹刀を投げ付ける。