舞い誇る華
 




「あのなー 総司 お前…」



「土方さんは下がっていてください」



土方が言葉を発する前に沖田は藤歳に顔が見えないよう完全に土方の方を向き威圧的に言う。

今の沖田の顔には 笑顔が消えていた。
先程までニコニコ笑っていた男とは思えない程の変貌ぶり。





そんな沖田を見て 土方は溜息をつき髪をガシガシ掻きむしると道場の端の方まで歩きだした。

歩き出した土方を見た沖田は藤歳と向き合うように場所を移動する。




「これは 試合だ 入隊試験というな
…つまり 死者を出しちゃならねえ
分かってるよな? 総司」



壁にもたれ掛かり 腕を組みながら中央にいる沖田に聞こえるように話す土方。



「分かってますよ とっつあん♪」



土方の忠告ともとれる言葉に沖田は何事もなかったかのようにまたにっこりと笑いながら返事をした。



「お手柔らかにお願いしますね」



「……あんたみたいな奴が1番厄介なんだよなー
いつもヘラヘラおちゃらけて人を馬鹿にしたような態度とりやがってるくせに
阿呆ヅラが消えた途端 本性現わして相手を完膚なきまでに叩きのめす…
危険思想の持ち主って言うのか?
あんたにピッタリの言葉なんじゃねえの?」



馬鹿にしたように藤田に言う。




藤歳の言葉を聞いた途端、場の空気が変わった。


周りの者はハラハラしながら見ている。
沖田は藤歳の挑発を聞いてどうでるのか



誰も2人のいる中央から目が離せない。



ただ一人土方だけはその様子を冷静に見ていた。



 
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