舞い誇る華
じーっと自分の手を見つめる沖田を見て藤歳はポツリと言葉を零した。
「これが新撰組… 沖田 総司か…」
藤歳にとっては何気ない言葉だったがその言葉を聞いた沖田は
次の瞬間、
目つきが変わった。
パチパチ パチパチ
「そこまでですよ 沖田くん
春日くんの入隊試験はもう終わりです」
「やま、なみさん……」
「それにしても春日さんには 驚かされますね
普段、竹刀を持つ事はあまりないとお見受けしますが 」
「…あ、ああ
竹刀なんて剣道部くらいしか握らねえからな」
突然の山南の登場に 話しをふられた藤歳は言葉をつまらせながら答える。
「剣道……ぶ?
これは また興味深い言葉ですね
今度ゆっくりお話を聞かせてください」
のほほん とした口調で話す山南を、周りにいる隊士達や藤歳は唖然とした顔で見ている。
「その時は 私も呼んでくださいね♪
春日さんは興味深い言葉ばかりで話すのでゆっくり意味をご教授願いたいですよ」
そう、いつもの口調と笑顔で言う沖田。
「それは 是非ともお願いしたい
言葉の意味が通じなくて会話が成り立たなくなったら困りますしね
貴方はもう 我々〝新撰組〟の一員になったのですから
…そうですよね? 土方くん」
ふんわり と優しい眼差しで藤歳と沖田を見つめながら話す山南は最後に土方に確認するかのように名前を呼んだ。