舞い誇る華
 



一斉に 壁にもたれかかっている土方を見て息を飲む。



「…………春日 藤歳」



「…………」



藤歳は返事をせず、ガンつけているかのように土方の方を向いた。



「今 この刻(とき)をもって
お前は 〝新撰組″隊士となった
その名に〝泥を塗らぬよう″ しかと弁えた行動をとるよう気をつけろ」




「それから 後で近藤さ …局長に挨拶しに行け
舐めた口利きやがったらただじゃおかねえからな」



そう言い残して 土方は道場を去った。



「おめでとうございます
良かったですね
これで 晴れて貴方も私達の〝仲間〟です」



「これから よろしくお願いしますね」



山南がそう言った後、沖田が藤歳の前に手を差し出しながら言った。



藤歳は 差し出された手を見つめ握手を交わした。




ドタドタドタドタッッ



「藤歳ーーー!!! 聞いて聞いてっ
あっ! 沖田さん♪」



勢いよく飛び込んで来たのは 満面の笑顔を浮かべている雛菊。



「おいっ 待て!!!
俺の方が綺麗にふけてるっ!!!! 」



それに続いて飛び込んで来たのは 雑巾をにぎりしめている永倉。



「もういいじゃん 雛の勝ちなんだし」



「そうそう もういいよ」



そして ゆっくり歩いて来た原田、藤堂 の順に道場へと入って来た。



 
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