舞い誇る華
 



「その子から 離れなさい
私(わたくし)は 逃げも隠れも致しません」


ヒラヒラ と花が舞い散る中、凛とした声を出す女子。




「あ゛? テメエ 自分が置かれている立場分かって言ってんのか?」



「解っております
故に 申しておるのですよ その娘から離れないのなら 私は舌を噛み切ります
…この意味が お分かりですよね?」



「「「!!!!?」」」


「姫様っ!!?」



臆する事なくそう言い切る女子に 瑠璃と周りにいる男達は動揺していた。



花びらの散る量が多くなっていく。



「はっ たいした度胸だ
おい!!」



一人の男がそう言うと 瑠璃を捕まえていた男は手を放す。



「姫様っ!!!」



「おおっと」



駆け寄ろうとする瑠璃を男は制す。



「瑠璃 早く逃げなさい
早く 安全な所へ「いやっ姫様ああ!!!」



ドサッ



悲痛な叫びを上げなおも駆け寄ろうとする瑠璃に男の力が邪魔をする。

視線の先には 力なく横たわる女子の姿。


「誰が 逃がして良いって言った
折角の金蔓が
おめえに死なれたら元も子もねえんだよ」



ギャハハハ っと下品な笑いで見下ろす男達。

瑠璃はそんな光景にギュッ目を閉じ唇を噛み締めた。



 
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