舞い誇る華
 




「さあてと 姫さんは後でのお楽しみだからな
まずは……」



その言葉を聞いた瑠璃は はっ とし目を開ける。
男達はいやらしい目をして瑠璃を見ていた。


一気に恐怖心が全身を駆け巡り、後退りをし後ろに倒れ込む。



「心配しなくても大事なだーいじな姫様は用が済んだら オメェと同じとこに逝かせてやるから安心しな」



「あ、あんた達の好きにさせてたまるか
あたしを殺したら化けてでてやるっ」



――――姫様はあたしが守らなきゃ



徐々に 近づいてくる男達を前にそう誓う瑠璃。
瑠璃は 側に転がっている石ころを男達目掛けおもいきり投げる。



「って! チッ
この 糞アマ!!!」


一気に間合いをつめてきた男は刀を鞘から抜きだし 瑠璃に向けた。



「そんなに 早く死にてぇらしいな
だったら 望み通り今すぐ殺してやるよ!!」



瑠璃を斬ろうとしたが 刀が捕らえたのは瑠璃の後ろにあった木。

木には 深い斬り込みの傷ができた。



「おいおい 本当に〝今″殺すのかよ
女 ヤッた後でもいいだろうが」


「しょうがねえよ あいつ 短気だから
まあ あの女殺してもまだこの姫さんがいるからな」


「短気すぎるだろう」



倒れている女子の近くにいる男2人は 瑠璃と男のやり取りを見てそう話す。



「きゃっ!!」



男は瑠璃の髪を逃げられないようにしっかり掴んだ。



「ごちゃごちゃ うるせえ!!
これでもう逃げらんねえぞ
とっとと




       死ねええええ!!!!!」




振り上げられた刀は 勢いよく瑠璃目掛けて振り下ろされる。



もう駄目だ と悟った瑠璃は 涙を流しながらぎゅっと目をつむった。





      〝絶体絶命〟
         ――とはまさにこの事



 
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