舞い誇る華
「何なんだってんだよっ!!どうなってんだ!!!?」
「チッ!!
糞ったれえええ!!!」
一向に止みそうにない花吹雪に苛々しだす男達。
―――――その 刹那
「ぎゃあああああああ!!!!!」
「っ?!!」
突如 耳をつんざくような男の悲鳴が響き渡る。
次第に花吹雪が少なくなっていき、徐々に視界が開けてきた瑠璃は目の前に人が立っていることに気付き驚く。
そして、その人物の前にはさっきまで自分達を襲っていた男達の何とも情けない姿。
一人は気絶していて、残りの二人は顔が青ざめていて腰を抜かしていた。
瑠璃はいきなり現れた人物にもう一度目をやる。
背を向けていて顔は分からないが 髪は長く上の方で一つに結わいていて袴姿。
「…今すぐ 立ち去れ
さもなくば……」
ドスのきいた声でそう言うと 腰を抜かしている男の傍らに落ちている刀を拾おうとする。
「ひっひぃぃぃぃ!!」
「で、出たああああ」
一気に顔が蒼白になり、口々にそう言う男達は一人気絶している仲間を置いて一目散に逃げていった。