舞い誇る華
 



「鈴、…姫様?」



いきなり 瑠璃に叫ばれ面食らう人物。



「姫様… 申し訳ありませんっ!!!
瑠璃がふがいないばかりに 姫様が…!! 姫様があああ……」



「いやっ あの、ちょっと落ち着いおわっ!!」



感極まったのか瑠璃は涙を流しながら 勢いよく抱き着く。
あまりの 勢いといきなりでおもわずよろける人物。



「そんな姿になってまで瑠璃を助けてくださるなんて… 姫様は… 姫様あああああ……」



鳴咽混じりで もはや何を言っているのか分からない瑠璃に 困惑する。



「す、少し 落ち着きましょう?
貴女の言っている 姫様ってあの子でしょ?あの子なら大丈夫」



抱き着いている瑠璃と少し距離をとると 優しい声色で倒れている女子を指さし瑠璃に聞く。



「グス……だい…じょうぶ?」



そう言われ、涙と鼻水でぐちゃぐちゃな顔を指の方向へと向ける瑠璃。



「そう 大丈夫 彼女は気絶してるだけでちゃんと生きてる
その 証拠に ほらっ心臓が動いてる」



気絶してる女子の側まで 瑠璃を連れてくると心臓に手を置かせ確認させる。


トクン トクン


上下に動く胸 温かい体温


「よか、よ゛か゛っ゛た゛ー…」



目を覚まさないがそれだけでも 瑠璃は安心し強く女子、鈴姫の体を抱きしめ嬉し涙を流す。


その瑠璃の姿に 優しい眼差しを向ける人物。


 
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