舞い誇る華
 

お互いの顔を見て思わず言葉を漏らす。
それもそのはず
まったくの同じ顔、声。
まるで 鏡に写った自分を見ているかのように瓜二つだからだ。



「やはり 鈴様も驚かれますよね
えっと…… そう言えばまだお名前をお聞きしていませんでしたわ」



「鈴様って……
やっぱり 聞き間違いじゃなかったか…」


名前を聞かれ 額に手をあて困惑した表情で呟く人物。

その様子を見て、鈴姫と瑠璃は不思議そうな顔をして見ている。



「……ず… ん…」


「「えっ?」」



はっきり聞こえなかった為 2人は聞き返す。
もう一度聞かれ、今度は聞こえるようにはっきりと言い眉を八の字に下げて苦笑いをする人物。



「あたしの名前は 桜小路 鈴蘭
貴女と…名前、似てるんじゃないかな」



苦笑いをする人物――― 鈴蘭を見て目を点にして驚く鈴姫と瑠璃。 



「名前まで 似ているなんて…
こんな事ってあるのでしょうか…」



感心しているように呟く鈴姫に 瑠璃は ハッと思い出し鈴姫と自分の名前を紹介しだす。



 
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