舞い誇る華
「も、申し遅れましたっ
こちらは 連翹家第5代目主君【連翹 那珂直‐れんぎょう なかただ‐】様がお子 【連翹 鈴‐れんぎょう すず‐】姫様でございます」
鈴姫が見えるように横にずれ、斜めの角度で膝立ち気味で紹介をする瑠璃。
「れんぎょう……」
「そして 私(わたくし)は 鈴様の身の回りのお世話をさせていただいております
【 瑠璃‐ るり‐】と申します」
名前を聞き、考える鈴蘭に瑠璃は左手を胸に置き自分の事を紹介する。
―――――れんぎょう… 連ぎょう……
何処かで逢ったっけ? 駄目だ
珍しい苗字だから 一度聞いたら覚えてるはず…
なのに、何なの? このモヤモヤ感は…
頭の中に靄がかかっているみたいにハッキリしない事で気持ち悪い鈴蘭は、次第に眉間に皺をよせ始める。
その様子を見ていた鈴姫は鈴蘭に心配そうな表情で口を開く。
「あのっ どうかなされたのですか?
私(わたくし)達 何か可笑しな事でも申したかしら…」
「えっ? 」
「その あまりにも… 怖い顔をなさっているから 気になりまして」