舞い誇る華
躊躇いながらも心配して聞いてくる鈴姫に 鈴蘭は自分がどんな表情をしていたのか気付く。
――――ヤバッ 考え過ぎた
「あっ!ごめんなさい
れんぎょう なんて珍しい苗字だなって考えてしまって……」
「まあ そうでしたの
確かに 連翹 は珍しい名前らしいですわ」
慌てて否定する鈴蘭を見て 微笑み納得する鈴姫。
「そういえば 鈴様
連翹と言うお名前はっ!!!」
「危ないっ!!!」
「糞ったれぇぇぇ!!」
視線の先には先程まで気絶していたはずの男が刀を振り上げ 鈴蘭に切り掛かろうとしている。
それに 気付いた鈴姫と瑠璃は思わず声を張り上げた。
助からない―――そう思った瞬間、
「ぐはっっっ!!!!!」
ドサッ
耳に聞こえてきたのは 低いうめき声と何かが落ちる音。
2人は口に手をあて、その光景にハッと息を飲む。
「…何か 用でも?」
「ゴホッ ゴホッ… 」
そう言って 腰に手をあて、苦しそうに膝をついて咳込む男を見下ろす鈴蘭。