舞い誇る華
背後から襲われそうになったのにも関わらず 鈴蘭は刀が振り下ろされるよりも前に 右にズレ、刀が地面に刺さった事を確認すると、男の鳩尾に膝蹴りをいれたのだ。
まさかの反応に男は驚きを隠せない。
そして、流れるように綺麗な動作で後ろからの攻撃をかわす鈴蘭に思わず2人は見惚れてしまった。
そんな 3人に気付いていない鈴蘭は男の傍らに落ちている刀を拾うと眉をしかめる。
――――――重い… と言うことは本物の刀… 真剣?!
さっきの 切れ味見て まさか とは思ったけど ホントに本物なの?
刀を持ち 動揺する鈴蘭に苦しそうに呻いていた男が話しかける。
「お前… こいつらの〝用心棒〟か?
チッ 話がっ ゴホッ… ちげぇ… 」
「それ どういう事?」
「桜小路様は 〝偶然″通り掛かって 私(わたくし)達を助けてくださっただけですっ」
鈴蘭は男が言った言葉が気になり、問いかけたが すぐに瑠璃が鈴蘭との事をくわしく説明する。