舞い誇る華
「〝偶然″通り掛かって お前達を助けたあ?
はっ! そんな訳ねえだろ」
瑠璃の話を聞いた男は 馬鹿にするように鼻で笑い その事実を否定する。
「何で わざわざまったくの赤の他人を助ける? 何の得もねえだろ
ましてや 大の男が3人もいたんだ
普通 たいていの奴等は血相変えて逃げていくか
もしくは… 俺達に取り入って 一緒に姫さんとよろしくすることだって出来たはず…
なのに、アンタはそれをしなかった」
「ぶ、無礼者!!!」
「まあ 自分と同じ顔は萎えるか…女に困ってる顔じゃあなさそうだしな
なら 決まってる」
「えっ?…ちょっ」
男の言葉に瑠璃は顔を真っ赤にさせて怒鳴り付けるが鈴蘭は男の言葉に引っ掛かり、確認しようとするが男は気付いていない様子。
「目当ては金だろ? 最初っから知ってたんだろ?こいつが姫だって
じゃなきゃ 助けねえよな 厄介事には関わりたくねえのが人間ってもんだ
だが、金が絡めば話は別
結局 世の中は金で出来てんだ!!」
少し興奮して吐き捨てるように言うがハッキリと言い切る男に 鈴蘭は真顔になり凛とした声で話しだす。
「2人が何処の誰だか知らないし、貴方達があたしより強くてもきっとあたしは 今と同じ行動を取ってると思う
善人だからとか悪人だからとか自分よりも強そうだからとかそんなの関係ない
…これは あたしのたんなる偽善かもしれない
けど それでも
あたしは自分の〝正義″が訴えかけてきたから それに従って行動したまでだ」