短編集
『あぁ…行きたくない』
とうとう放課後になってしまった
「行ってきなさいよ、かさね」
「そうだよ!
嫌な事は先に済ませて
おいた方が良いよ!」
『2人とも簡単に言って…』
「とりあえず行こっ」
無理矢理手を引かれ
職員室前まで連れてこられた
「ここまで来たんだから
後はあっという間に
終わっちゃうよ!」
『うん……』
私はノックして、ドアを開けた
『失礼します…』
「おぉ朝比奈
ちょうど今出来た所だ
これで赤点とったら
留年もんだぞ」
『…え……』
先生から渡されたプリントを
一枚一枚見ていくと
そこには丁寧な解説付きの
問題が印刷されていた
「お前がその気なら
俺は全力でサポートしてやる」
『……ありがとうございます』
私はこの一言しか言えなかった
いつもは私に厳しくて
そっけない態度で……
なのに今は優しくて
『あの…それじゃあ
失礼します……』
「おぉ、気をつけて帰れよ」