短編集
俺が礼を言うと
綾香は顔をほんのり紅く染め
俯いてしまった
そんな事をしてるうちにもう
綾香の家に着いてしまった
ちなみに俺の家はこいつの隣だ
結局元気付けるはずが
元気付けられてしまった…
「じゃあね」
俺がそう言った後
不意に腕を引っ張られ
耳元で囁かれた
あいつは直ぐに家に入ってしまい
表情はわからなかったが
俺の心は満たされていた
『明日も一緒に帰ろうね』
………明日は日曜日だっての
おっちょこちょいなあいつに
明日電話で言ってやろう
そしたらどんな顔するかな
「好きだよ」
終わり