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携帯が鳴った。
宛て先 りあ
件名 なし
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璃昂さってさ…
ウチの彼氏と寝たんだよね。
まじあり得ない。
璃昂がそんなヤツなんて
思わなかった。
ウチが1年もかけて付き合えたの
璃昂が1番よく知ってるよね?!
何で?
…ま、今となってはどうでもいいけど。
縁切ろ
2度と
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ここまで読んで、携帯を閉じた。
親友だった柚子からだ。
柚子の彼氏と寝たなんて、そんなハズない。
誰かが流した噂。
そんなこと言っても信じてもらえない気がした。
だからもういい。
「誰も」
信じることなんかできやしない。
存在がいればいい。
『家族』っていう存在―――
『友達』っていう存在―――
『特別』っていう存在―――
口だけなんだ、みんな。
そうして今まで生きてきたかった。
初めから…