0:00
「そんで?何で沙羅ちゃんは学校行かないの?」

あまり問われたくない質問だった。

「…いろんなことに、納得行かないから」
この一言を発して、もう言葉が止まらなかった。


「あたしが入学してから、家がちょっと金持ちだからって先生はあたしを特別扱いした。最初はもちろん楽だと思ったし、友達もたくさんできて嬉しかった。でもそれも途中で終わったんだ…」

拓也はずっと静かにあたしの話を聞いていた。

「途中で…」

そう、途中で…

「騙されて…ぉッ…」
過去が甦って、涙が出た。

「全部話して」
優しく微笑んで、頭を撫でた。
その手がすごく暖かくて、また涙が出た。


「友達にっ…騙されてぇ…あたしッ男子に…ふぇ」
「…犯されちゃったの?…」

これでもかってくらい涙が溢れて、頷いた。
初めて人に話したことだった。

あの日はたくさん泣いた。
たくさん叫んだ。
たくさん…たくさん…


『いやっ!!やめろよ!!!』
『そんなことも言えなくなるから』
『安心しろよ♪気持ちよくしてやるから』
『やめろ!!!離せよ!!!』
『もっと女らしい言葉使えよ?』
『こんなに体はいいのになあ…?』
『----アンタには、お仕置きが必要なの』


最後に聞き覚えのある女の声を聞いて、されるがまま。



< 36 / 45 >

この作品をシェア

pagetop