同じ空の下で
アイスコーヒーの氷はもうほとんど溶けて、口にしてみると薄っぺらい味がした。窓の外はもう暗闇で、夜をカーテンで遮った。僕たちは愛という、大切な記憶さえも忘れてしまった。それに気付かず、ずっと生きて来た。
「…を取り戻しますか?」
ペンギンの声が遠く聞こえた。
「愛を取り戻しますか?」
僕はペンギンを見た。「出来るのか?」
「そのために私は来たのです」
ペンギンは足を氷水から出し、その隣に添えられたタオルで足を拭き取った。椅子から降り、ペタペタと立ち上がった。
「さぁ、行きましょう」
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