同じ空の下で
「こんなとこで何してんの?」
女の子だった。今の僕の同じくらいだろうか? 真っ白なブラウスに、紺色のスカート。まずい。知り合いかもしれない。
僕が黙ってじっと見ていると、彼女は隣のブランコの上に立ち上がった。前後に揺らし、ゆっくりと立ち漕ぎを始める。僕は必死にその顔を思い出そうとする。まだ化粧なんて施されていない、綺麗な肌。髪は肩まで。もちろん真っ黒。それが風に乗って揺れる。少し垂れ気味の目尻が、幼さに拍車をかける。決して美人とか、可愛いとか言われるタイプではないだろうけれど、どこか惹かれるところのある顔だった。だけどその顔は僕の中の記憶には入っていなかった。
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